初めての小説書き方講座

最低限の文章作法をきちんと覚えよう。

 ここで、この講座を読んで下さってる方に、一つだけ聞かなければならないことがあります。
 皆さんは、ちゃんと小説を書く上での基本的な文章作法は覚えていますか?
 作法とつくわけですから、文章作法は、小説を書く場合の最低限の礼儀とも言えるわけです。ネット上で公開されている小説では、この作法が守られていない作品が多々見受けられますが、だからと言って、自分達がそれを無視して良い理由にはなりません。
 小説の投稿場などでは、この作法が守られてない作品は、批評の前にバシバシとその点を指摘されてしまい、人によっては読んでさえくれない場合があります。それは、もしも皆さんが完成した作品をネット上で公開した場合も同じ可能性があるということです。
 当然、本として出版されているプロの方々の作品は、この文章作法は守って書いています。多くの小説を読み慣れた方ならば、自分の書いた作品が見た目だけでも、プロの人の書いた作品と同じ体裁になっていれば、なんとなく嬉しくなるはずです。それは、今後の執筆意欲の向上にも繋がるでしょう。
 実際、文章作法を守って書いた小説は、文章の見た目にまとまりがありますし、誰もが読み慣れたプロの小説と同じ書き方なわけですから、読者側も読みやすくなります。
 皆さんが、完成した作品をネット上で公開するのか、身内だけで楽しむのか、それとも自分だけで楽しむのかはわかりませんが、文章作法を無視して書くことで得るものは少ないはずです。ここで基本だけでも覚えて、見た目の良い文章を書いていきましょう。
 では、これから基本的な文章作法を紹介していきます。

・段落の文頭には、一文字空ける。
 これは日本語の基本ですが、段落の文頭は、一文字空けて書き始めましょう。小学生の頃に読者感想文などを書いたときと同じ要領です。

例文
□声が聞こえた。
□僕が振り返ると、そこには見覚えのある人物が立っていた。


 □の部分は、一文字開ける部分を示しています。
 ただし、文頭に 「 や ( がくる場合には、一文字空ける必要はありません。それと 」 や ) などの閉じかっこの直前に、句読点を置かないようにしてください。

例文
□僕は呆れて言った。
「だから、前に何度も注意したじゃないか」


・三点リーダーとダッシュの使い方。
 物語内の間を表すときなどに、「・・・・・」というように「・」を不規則に並べているのをネット上の小説で見かけますが、これは間違いです。正しい文章作法に則ると、三点リーダーと呼ばれる「…」を二つセットにして置く事で表現します。変換の一覧で、「三点リーダー」と書かれている思いますので、それを使ってください。「三点」、「三点リーダー」「・・・」と書いて変換すると、すぐに出るでしょう(パソコンの環境によって違いがあります)。

例文
「そんな馬鹿な……」
□僕は、驚愕に声を震わせ、愕然と立ち尽くした。


 三点リーダーは必ず偶数になるように使用してください。長い間を表したい場合は、「…………」というように、二つセットを二つ並べて書きます。さらに間を取る場合は、さらに多く並べます。「………」のように奇数に並べることのないようにしましょう。
 さらに、三点リーダーと同じような使い方をする記号で、「―」と書くダッシュと呼ばれるものがあります。これも三点リーダーと同じように、偶数にするのが基本です。変換は、ダッシュと書くと、すぐに出てきます。

例文
「――大丈夫さ」
□僕は一拍だけ置いて、安心させるように微笑んだ。


・「!」と「?」の使い方。
 「!」や「?」の記号が出てきた後は、一文字空けるようにしましょう。ただし、台詞などの最後に閉じかっこがくる場合には、その必要はありません。

例文
「よし!□行くぞ!」
□僕は気合を入れるように、大きな声を上げた


・漢字や数字を統一する。
 
文章内で、同じ意味の複数の漢字を使ったり、漢数字と算用数字を混ぜないようにしましょう。文章内での統一性がなくなり、読者の混乱を招きます。

正しい例文
時でいいの?」
「ああ、時に公園の噴水前に集合よ」


間違った例文
「あ、水がれてる!」
□彼女の言う通り、天井に目を向けると、れてきた水が滴ってきていた。


 正しい例文の方は、ちゃんと「四時」の部分が漢数字で統一されていますが、間違った例の方は、「漏れる」と「洩れる」が混同してしまっています。このような間違いは、比較的多いので気をつけるようにしましょう。


 
以上が基本的な文章作法です。
 今回、紹介したのは、あくまで基本中の基本ですので、さらに詳しく知りたい方は、ネットや専門の本などで調べてみてください。


次に進む 前に戻る メニュー  Top

inserted by FC2 system